原始反射『緊張性迷路反射（TLR）』～首の使い方と身体の軸の安定について

InstagramとPodcastにて、運動療育について情報発信しています。
今回のテーマは、赤ちゃんが歩き始める頃までにみられる原始反射についてです。

　
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緊張性迷路反射（TLR）編
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人間は大脳皮質が未熟なままに生まれてくるので
脳幹を使って一生懸命に生き残ることを目的とした反射的な動きを
「原始反射」といいます。

意識や感情を介さない、まさに反射的に動いてしまう動作のことをさします。

 

通常は歩くことができていれば反射は統合されている、と小児科医はとらえるわけですが、何らかの理由で原始反射を残したまま成長していく子どもたちがいます。

 

それで大きくなってから、発達の遅れや運動の困難さのために、姿勢が保てなかったり転びやすかったりするわけです。

 

インスタグラムでも原始反射について紹介していますが、紹介動画（リール）では再生回数1200回を超えているものもあります。

 

特にお子さんを育てていらっしゃる保護者様からは、おうち療育としてしやすい原始反射統合のエクササイズを教えてもらえないか、というお話しを頂戴しています。

 

そこで、今回は「緊張性迷路反射（TLR）」を紹介します。

 

この反射は、

 

　　・首を前に倒したときに身体が前に倒れそうになる

　　・首を後ろに倒したときに身体が反り返って尻もちを付きそうになる

 

というように、身体の軸が整わないことが困りごととしてありますが、赤ちゃんがお腹の中にいる時から始めっています。

 

赤ちゃんが産まれる準備をする際に、子宮は円柱状ではないために、首を前後に動かしたり回したりする「回旋を助ける原始反射」になります。

 

これがあることで、産道を通る時に自分の首を一生懸命グーッとそらすようにして外に出てくるわけです。

 

ところが、帝王切開などで出産した際にはこのような運動経験が少なかったために、首のコントロールが上手くいかずに、TLRが残ってしまうことがあるのです。

 

TLRのうち前側の反射は、誕生から３～４ヶ月で消えて、後ろ側の反射は３歳ぐらいまで続きます。

 

歩き始めたころに急に後ろに尻もちをついてしまう、というのも後方TLRの残存があるためです。

 

首を前に曲げても後ろに曲げても身体の軸や下半身に影響しなくなってきたら、TLRの統合時期と言えます。

 

上り坂や下り坂が苦手、というのは精神的なものと思われるかもしれませんが、実は原始反射による感覚的なものだったりします。

 

専門的には、固有受容覚という自分の位置や動きを感じる脳のはたらきが、上手く制御できないことによります。

 

そこで、これらの原始反射に運動でアプローチする方法を紹介します

 

方法１

　　1.おでこに軽く手の平をおく

　　2.その手でおでこを軽く押す

　　3.おでこでその手をおす（30％ぐらいの力で手とおでこで押し合いっこ）

　　4.そのまま息を吐きながら７～８秒

 

方法２

　　1.後頭部の出っ張っているところに手の平をあてる

　　2.その手で後頭部を軽く押す

　　3.頭でその手をおす（30％ぐらいの力で手と頭で押し合いっこ）

　　4.そのまま息を吐きながら７～８秒

 

方法３

　　1.こめかみの横に手の平をあてる

　　2.その手でこめかみを軽く押す

　　3.頭でその手をおす（30％ぐらいの力で手と頭で押し合いっこ）

　　4.そのまま息を吐きながら７～８秒

　　5.同様に反対の手でも行う

 

方法４（立つと不安定な方は、椅子や床に座っておこないます）

　　1.首を前に倒します

　　2.息を吐きながら首を左横まで回す

　　3.息を吸う

　　4.息を吐きながら首を前に倒しながら右横まで回す

　　5.息を吸う

　　6.この左右の振り子の動きをゆっくりと繰り返す

　　7.最後は真ん中まで来たらゆっくりと頭を上げる

原始反射の統合を助ける運動で、発達促進をはかりましょう✨

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