原始反射とは
原始反射とは
原始反射は、生まれたばかりの赤ちゃんに見られる自動的な反応で、脳と神経系の発達において非常に重要な役割を果たします。これらの反射は、赤ちゃんが生まれる前から発生し、二足歩行ができるようになる頃には消失しているのが一般的です。
首がすわる、寝がえりをする、腰がすわる、ハイハイが始まるという、歩き出すまでの成長過程にも原始反射は関わっていて、動作を繰り返すことで自分の身体を自由に動かせるようになります。これにより、反射的な動きが意識的にできるようになり、自分の身体をコントロールする力が育まれていきます。
月齢とともに、原始反射の出現⇒動きの活性化⇒身体のコントロール(抑制)⇒原始反射の消失⇒次の運動に統合、という順序をたどる自然な現象です。生後間もなく、モロー反射や脊髄ガラント反射などの検査を行うのは、脳の機能が適切に発達しているかを示すため、子どもの発達を客観的に視覚化できる重要な指標となります。通常、1歳半健診で、歩くことができていると、原始反射が適切な時期に統合されたと考え、姿勢や歩行などの運動発達は、「異常なし」とされます。
ハイハイや寝がえりなどの動きを何らかの理由で飛ばしてきてしまった子どもには、運動経験の不足による原始反射の残存がみられ、筋肉の緊張や、ぎこちない動き、不器用さ、などが幼児期になってもみられます。
運動の苦手意識が、原始反射の残存による協調運動の困難さであることも少なくなく、球技や水泳、ダンスなどの運動を避ける傾向が強くなります。上半身と下半身の協調性、目と手の協応などの課題が観られることで、運動に加えて学習にも影響が出てくることがあります。
発達障害の診断を受けている子どもの50-70%に協調運動障害がみられることが研究で示されており、その解決の一助として反射統合運動が支援になると考えてジニアスラブでは、運動療育を提唱しています。
動作や姿勢を観察することで、子どもに残る身体の使いかたの幼さや反射の残存を推測できれば、言葉にしづらい感覚の過敏さやバランス感覚の課題を支援者や保護者が理解しサポートができると考えています。
発達相談をうけていると、読書や計算などの学習の困難さについて、ご質問を受ける機会が多くあります。しかし、学校での様子を伺ってみると感情のコントロールが苦手で、お友達との友好的な関係性が築けていない場合もあります。
また、姿勢が整っておらず、机につぶれてしまったり、椅子をガタガタと揺らしたり、などの身体の発達課題があることも分かってきます。そこで、学習サポートを行う際には、身体の発達土台が整っているか、学習に適した姿勢がとれているか、についても同時に観察することで、結果的には発達を促すための近道が垣間見られることもあるのです。
集中力が続かない、優先順位が分からない、約束の時間を守ることができないなどの課題についても、原始反射の観点からとらえると説明がつきやすく、統合運動により積極的な学習参加や意欲向上が見られます。
当社では、脳のはたらきと身体のつかいかたについて、オンライン・対面にて学ぶことのできる、ワークショップ形式の講座提供を行っています。遠方の方やじっくり学びたい方には、動画で学ぶ原始反射講座をご用意しています。
理学療法、作業療法、など小児リハビリテーションに関わる方には、姿勢観察から本人の困難さを見極め、発達上の動きのパターンを獲得するまでの評価とサポートが学べる運動発達支援講座がございますので、専門職向けページをご参照ください。
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以下の質問に「はい」または「いいえ」で答えてください。
原始反射の診断にはご使用いただけません。日常生活の困り感の把握にご利用ください。
チェックを入れた数が多いほど、原始反射が残存している可能性があります。
合計数
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詳細の項目は、各原始反射の残存があるかもしれません。
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各回の内容は、100頁のテキストとしてダウンロードできるように動画とのセット販売をしています。反射の残存による筋肉への影響と姿勢について詳しく紹介していることが特徴で、統合のための運動を各章ごとに提案しています。原始反射動画の販売サイトは、こちらからどうぞ。