03-5303-9292
〒167-0053 東京都杉並区西荻南4-1-3
営業時間 9:00~18:00 定休日 不定休
今道 久惠 保健学修士
有)ジニアスラブ代表取締役 / 社)日本MBL協会代表理事
2010年に白川医師に医療従事者向けブレインジム講座へ参加頂いたことをきっかけに、乳幼児や言葉を獲得しておらず心理療法や精神的なアプローチが困難なケースに対して、ボトムアップの手法として、運動療育プログラムや原始反射統合などへのアプローチを実施してきました。
特に、発達土台を整えるビルディング・ブロック・アクティビティ(以下、BBA)や特別支援を必要とするブレインジム(BG170)を用いたアプローチは、侵襲性も低く本人に身体的な変化が心に及ぼす影響の大きさを気づかせることのできる運動であることを経験していました。
そのような折に、白川医師に声がけを頂き、『「精神科病院に入院・通院する性暴力被害を受けたクライアントに対して、ブレインジムを中心とした身体志向のアプーロチにより心身両面から支援すること」を目的として、早期回復をめざし安全な環境で社会との繋がりをつくるサポートをしてほしい』との依頼を受け協働臨床を行いました。
クライアントの姿勢、歩行、立ち居振る舞いなどから、被害者の身体的特徴から心情を読み取り、行動分析を行い、運動提案を行った一連の教育コンサルテーションの中から身体的特徴について、ポリベーガル理論の観点をベースとして考察しています。
尚、白川医師からは被害状況や病態、傷病名などは一切今道には伝えられておらず、またクライアントからも状況説明を促したり暴露などをすることなく、安全安心感に最大限に配慮した状態で、筋肉や関節の可動域などの姿勢観察からのみの情報で、運動提案を実施していることを追記しておきます。
急性期または、被害直後のクライアントは筋緊張が強く、自身で身体を動くことすら困難な状況であることが多い。
時間の経過とともに低緊張状態となる傾向にあるが、複数回にわたる性被害を受けた場合には特に顕著に観察でき重力に抗って立つことや姿勢保持が困難になる。
【急性期に観られる過緊張の筋肉】
上部僧帽筋、胸鎖乳突筋、脊柱起立筋群、広背筋、大腰筋、腸骨筋、大臀筋、中臀筋、大腿四頭筋、腓腹筋、脛骨筋、腓骨筋等。
【慢性期に観られる低緊張の筋肉】
棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、菱形筋、僧帽筋中部・下部、大胸筋、広背筋、腹筋、大腰筋、腸骨筋、中臀筋、梨状筋、ハムストリングス筋、大腿筋膜張筋、内転筋、ひらめ筋等。
【考察】
急性期の錯乱がみられるような状況や被害後すぐは、自律神経系を麻痺させることで生き残ることを選択し過緊張になっていると思われる。背面筋や表層筋を中心に筋緊張が強いことからも、動くことができず恐怖のあまり固まることで身を守ったことが伺える。
複数回による被害や長期間にわたる家庭内での暴力等の際には、筋肉は低緊張になる傾向があるが、これらはコア筋や深層筋を中心に筋緊張の低下が観られた。姿勢保持が困難な状況であるにも関わらず、過覚醒状態で平静を装い気丈に振舞っていることからトップダウンのアプローチでは、身体的・心理的側面の辛さは解消するまでに時間がかかると考える。
筋肉への対処は、タッチフォーヘルス・キネシオロジー(以下、TFH)の観点からの提案が個別対応としては負担が少なく短時間で実施できるなど活用しやすいことを感じている。ゴルジ腱や紡錘細胞の手技を用いて、その場で変化を体感できることでクライアント心身に優しい提案ができるのではないかと思う。
上記に観られる筋緊張により、急性期は前傾した体幹、股関節の屈曲が観察でき、膝関節の過伸展により関節の可動域に制限があった。
慢性期では、協調運動障害のような様相を確認でき、感覚の鈍麻や平衡感覚の欠如、正中交差の動きが困難になる等、上半身と下半身の協調性が失われる傾向となる。
【急性期に観られる協調運動の困難さ】
上記の筋肉の過緊張により、急性期には体幹は前傾となり股関節は屈曲、膝関節の過伸展や足関節は底屈傾向となり、身体に滑らかさがなく運動時に転びやすい等、小脳に疾患を抱える人のような様相を示した。
【慢性期に観られる協調運動の困難さ】
長期療養中のクライアントは、運動時に関節痛や頭重感、倦怠感の訴えが多く、姿勢の保持や片足立ちが困難な傾向にあった。発達障害児(者)に観られる低緊張による動作の不安定さがあり、固有受容覚、平衡感覚の課題が観察できた。
急性期には筋緊張に加えて関節の可動域に制限がかかることがあり、高齢者が反張膝によるリハビリを実施しているときのような動きや立ち居振る舞いとして観察できた。これらは、性暴力により上半身と下半身をつなぐ唯一の筋肉である腸腰筋が機能せず、骨盤底筋群を含めて仙骨周辺の筋肉のバランスが崩れたために協調性を失っていることが考えられる。加えて、平衡感覚の課題、触覚の過敏さが出現したことにより、歩行のぎこちなさや歩幅の減少が出現していることから視覚にも影響を与え、一点に集中しすぎるあまり周囲が観察できない等の課題が出てくることにも繋がっているのではないだろうか。 入院が必要になるなどの重症なケースでは、倦怠感や虚脱感により姿勢の保持や歩行が困難なため立位での教育相談を実施することは出来ないケースがほとんどであった。臥位や座位でも実施できる軽運動を選びコンサルテーションを行った後には、看護師の支えも不要となり、足取り軽く部屋へと戻るクライアントを観察している。 最大限のパワーを発揮できるコア筋を活性化することで、内なる力がみなぎることをクライアント自身が体感し、同時に四肢の繋がりを深める微細運動を採用することで、コアと四肢の繋がりが再認識され、結果的に3方向の体軸が整い協調運動のスムーズさに繋がったと考える。
急性期には関節の硬さがあり、可動域にも制限が観られる場合が多い。加えて、原始反射様の不随意な動きや、頸防御反射が出現することにより、筋肉が硬く筋緊張も高い傾向にある。
長期療養者は腰痛や肩こり首の張りなどの訴えが多く、前屈や側屈などの確認時にも柔軟性の欠如が観られる。
【急性期に観られる柔軟性の欠如】
歩行時に杖や手すりを必要とするケースも少なくなかった。歩行時の転倒や身辺に不審な人物がいないかなどの確認クセがあり強迫的になるあまり、身体だけでなく視覚も過敏になることがあった。
警戒心が強くなっていることにより同側の動きが多くなり、しなやかな動きができない状況を作り出していた
【慢性期に観られる柔軟性の欠如】
警戒心が強く過緊張になっている急性期のクライアントと比較し長時間のストレスにさらされた場合や複数回にわたり被害を受けたケースでは、背側の筋肉群の柔軟性が失われる傾向にあることを確認した。
こころとからだ光の花クリニック(白川美也子医師)に加えて、河村クリニック(大分)、千葉駅前心療内科(五十嵐雅文医師)に於いても、ブレインジムやBBAを取り入れた、薬物だけに頼らないボトムアップの臨床を実施して頂いています。
集団療法にも個別相談に対応しやすいことが、ブレインジムやBBAの特徴であるため、精神疾患を抱えたクライアントさんのみならず、夢や目標を叶えてより豊かな人生を過ごしたい考えるかたに活用して頂ける教育的アプローチであると感じています。
ブレインジムのアクティビティは、他の心理療法とも相性の良い教育メソッドであるため、リハビリテーションに加えて福祉領域、司法領域でも活用しやすいため、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚療法士(ST)などの医療従事者のかたにもブレインジムやBBAを知って頂き、サポートにあたって欲しいと考えています。
より豊かな人生のためのサポートをこれからも続けていきます。
クライアントさんに寄りそった、心身に優しい運動療法をお探しの方は、ぜひ当社の専門職向けプログラムをご受講ください。
グループでの研修ならびに公式コース開催は、4名様よりお引受けしています。
ジニアスラブの最新情報をLINEにて配信しています
個別相談は ➡ コチラへどうぞ https://coubic.com/geniuslove/494466#pageContent
発達支援等、ビジネスへの活用は ➡ コチラへどうぞ https://coubic.com/geniuslove/726338#pageContent
■■―――――――――――――――――――■■ 電話番号 045-530-7115 住所 〒244-0801 神奈川県横浜市戸塚区品濃町 543-4 営業時間 9:00~18:00 定休日 月曜日 ■■―――――――――――――――――――■■
24/09/25
24/09/09
24/09/01
TOP
今道 久惠
有)ジニアスラブ代表取締役 / 社)日本MBL協会代表理事
精神科医の白川(西)美也子医師との協働臨床に於ける考察1
2010年に白川医師に医療従事者向けブレインジム講座へ参加頂いたことをきっかけに、乳幼児や言葉を獲得しておらず心理療法や精神的なアプローチが困難なケースに対して、ボトムアップの手法として、運動療育プログラムや原始反射統合などへのアプローチを実施してきました。
特に、発達土台を整えるビルディング・ブロック・アクティビティ(以下、BBA)や特別支援を必要とするブレインジム(BG170)を用いたアプローチは、侵襲性も低く本人に身体的な変化が心に及ぼす影響の大きさを気づかせることのできる運動であることを経験していました。
そのような折に、白川医師に声がけを頂き、『「精神科病院に入院・通院する性暴力被害を受けたクライアントに対して、ブレインジムを中心とした身体志向のアプーロチにより心身両面から支援すること」を目的として、早期回復をめざし安全な環境で社会との繋がりをつくるサポートをしてほしい』との依頼を受け協働臨床を行いました。
クライアントの姿勢、歩行、立ち居振る舞いなどから、被害者の身体的特徴から心情を読み取り、行動分析を行い、運動提案を行った一連の教育コンサルテーションの中から身体的特徴について、ポリベーガル理論の観点をベースとして考察しています。
尚、白川医師からは被害状況や病態、傷病名などは一切今道には伝えられておらず、またクライアントからも状況説明を促したり暴露などをすることなく、安全安心感に最大限に配慮した状態で、筋肉や関節の可動域などの姿勢観察からのみの情報で、運動提案を実施していることを追記しておきます。
■性暴力被害者、性的虐待を受けたクライアントの身体(筋肉や関節)に観られる特徴
A.筋緊張について
急性期または、被害直後のクライアントは筋緊張が強く、自身で身体を動くことすら困難な状況であることが多い。
時間の経過とともに低緊張状態となる傾向にあるが、複数回にわたる性被害を受けた場合には特に顕著に観察でき重力に抗って立つことや姿勢保持が困難になる。
【急性期に観られる過緊張の筋肉】
上部僧帽筋、胸鎖乳突筋、脊柱起立筋群、広背筋、大腰筋、腸骨筋、大臀筋、中臀筋、大腿四頭筋、腓腹筋、脛骨筋、腓骨筋等。
【慢性期に観られる低緊張の筋肉】
棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、菱形筋、僧帽筋中部・下部、大胸筋、広背筋、腹筋、大腰筋、腸骨筋、中臀筋、梨状筋、ハムストリングス筋、大腿筋膜張筋、内転筋、ひらめ筋等。
【考察】
急性期の錯乱がみられるような状況や被害後すぐは、自律神経系を麻痺させることで生き残ることを選択し過緊張になっていると思われる。背面筋や表層筋を中心に筋緊張が強いことからも、動くことができず恐怖のあまり固まることで身を守ったことが伺える。
複数回による被害や長期間にわたる家庭内での暴力等の際には、筋肉は低緊張になる傾向があるが、これらはコア筋や深層筋を中心に筋緊張の低下が観られた。姿勢保持が困難な状況であるにも関わらず、過覚醒状態で平静を装い気丈に振舞っていることからトップダウンのアプローチでは、身体的・心理的側面の辛さは解消するまでに時間がかかると考える。
筋肉への対処は、タッチフォーヘルス・キネシオロジー(以下、TFH)の観点からの提案が個別対応としては負担が少なく短時間で実施できるなど活用しやすいことを感じている。ゴルジ腱や紡錘細胞の手技を用いて、その場で変化を体感できることでクライアント心身に優しい提案ができるのではないかと思う。
B.協調性について
上記に観られる筋緊張により、急性期は前傾した体幹、股関節の屈曲が観察でき、膝関節の過伸展により関節の可動域に制限があった。
慢性期では、協調運動障害のような様相を確認でき、感覚の鈍麻や平衡感覚の欠如、正中交差の動きが困難になる等、上半身と下半身の協調性が失われる傾向となる。
【急性期に観られる協調運動の困難さ】
上記の筋肉の過緊張により、急性期には体幹は前傾となり股関節は屈曲、膝関節の過伸展や足関節は底屈傾向となり、身体に滑らかさがなく運動時に転びやすい等、小脳に疾患を抱える人のような様相を示した。
【慢性期に観られる協調運動の困難さ】
長期療養中のクライアントは、運動時に関節痛や頭重感、倦怠感の訴えが多く、姿勢の保持や片足立ちが困難な傾向にあった。発達障害児(者)に観られる低緊張による動作の不安定さがあり、固有受容覚、平衡感覚の課題が観察できた。
【考察】
急性期には筋緊張に加えて関節の可動域に制限がかかることがあり、高齢者が反張膝によるリハビリを実施しているときのような動きや立ち居振る舞いとして観察できた。これらは、性暴力により上半身と下半身をつなぐ唯一の筋肉である腸腰筋が機能せず、骨盤底筋群を含めて仙骨周辺の筋肉のバランスが崩れたために協調性を失っていることが考えられる。加えて、平衡感覚の課題、触覚の過敏さが出現したことにより、歩行のぎこちなさや歩幅の減少が出現していることから視覚にも影響を与え、一点に集中しすぎるあまり周囲が観察できない等の課題が出てくることにも繋がっているのではないだろうか。
入院が必要になるなどの重症なケースでは、倦怠感や虚脱感により姿勢の保持や歩行が困難なため立位での教育相談を実施することは出来ないケースがほとんどであった。臥位や座位でも実施できる軽運動を選びコンサルテーションを行った後には、看護師の支えも不要となり、足取り軽く部屋へと戻るクライアントを観察している。
最大限のパワーを発揮できるコア筋を活性化することで、内なる力がみなぎることをクライアント自身が体感し、同時に四肢の繋がりを深める微細運動を採用することで、コアと四肢の繋がりが再認識され、結果的に3方向の体軸が整い協調運動のスムーズさに繋がったと考える。
C.柔軟性について
急性期には関節の硬さがあり、可動域にも制限が観られる場合が多い。加えて、原始反射様の不随意な動きや、頸防御反射が出現することにより、筋肉が硬く筋緊張も高い傾向にある。
長期療養者は腰痛や肩こり首の張りなどの訴えが多く、前屈や側屈などの確認時にも柔軟性の欠如が観られる。
【急性期に観られる柔軟性の欠如】
歩行時に杖や手すりを必要とするケースも少なくなかった。歩行時の転倒や身辺に不審な人物がいないかなどの確認クセがあり強迫的になるあまり、身体だけでなく視覚も過敏になることがあった。
警戒心が強くなっていることにより同側の動きが多くなり、しなやかな動きができない状況を作り出していた
【慢性期に観られる柔軟性の欠如】
警戒心が強く過緊張になっている急性期のクライアントと比較し長時間のストレスにさらされた場合や複数回にわたり被害を受けたケースでは、背側の筋肉群の柔軟性が失われる傾向にあることを確認した。
【考察】
■今後の展開について
こころとからだ光の花クリニック(白川美也子医師)に加えて、河村クリニック(大分)、千葉駅前心療内科(五十嵐雅文医師)に於いても、ブレインジムやBBAを取り入れた、薬物だけに頼らないボトムアップの臨床を実施して頂いています。
集団療法にも個別相談に対応しやすいことが、ブレインジムやBBAの特徴であるため、精神疾患を抱えたクライアントさんのみならず、夢や目標を叶えてより豊かな人生を過ごしたい考えるかたに活用して頂ける教育的アプローチであると感じています。
ブレインジムのアクティビティは、他の心理療法とも相性の良い教育メソッドであるため、リハビリテーションに加えて福祉領域、司法領域でも活用しやすいため、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚療法士(ST)などの医療従事者のかたにもブレインジムやBBAを知って頂き、サポートにあたって欲しいと考えています。
より豊かな人生のためのサポートをこれからも続けていきます。
クライアントさんに寄りそった、心身に優しい運動療法をお探しの方は、ぜひ当社の専門職向けプログラムをご受講ください。
グループでの研修ならびに公式コース開催は、4名様よりお引受けしています。
ジニアスラブの最新情報をLINEにて配信しています
個別相談は ➡ コチラへどうぞ
https://coubic.com/geniuslove/494466#pageContent
発達支援等、ビジネスへの活用は ➡ コチラへどうぞ
https://coubic.com/geniuslove/726338#pageContent
■■―――――――――――――――――――■■
電話番号 045-530-7115
住所 〒244-0801
神奈川県横浜市戸塚区品濃町 543-4
営業時間 9:00~18:00 定休日 月曜日
■■―――――――――――――――――――■■